![]() 免疫原性インフルエンザ組成物
专利摘要:
インフルエンザ免疫原として有用な新規組成物が提供される。該組成物は、通常は宿主によって認識されない免疫原部位に対する宿主応答を可能とする。なし 公开号:JP2011513235A 申请号:JP2010547828 申请日:2009-02-20 公开日:2011-04-28 发明作者:ジェイ・トビン グレゴリー;リン ジョージ;エル・ナラ ピーター 申请人:バイオロジカル ミメティクス インコーポレイテッド; IPC主号:A61K39-145
专利说明:
[0001] ヒトおよび獣医学領域において承認された現行のワクチン群は、「クラス1病原体」と名付けられたものに対しては全般的に成功を収めている。クラス1病原体(麻疹、おたふくかぜおよび風疹ウイルス)は、一般的に:(1)乳児、非常に低年齢の小児、小児および青年に感染または最も重大な疾患を引き起こし;(2)比較的安定した微生物ゲノムを担持し;(3)自然回復に至る疾患の自然史を有し;且つ(4)ポリクローナルおよびマルチエピトープ抗原認識に関わる恒久記憶を誘導する。] [0002] 反対に、インフルエンザウイルス、HIV−1、マラリア原虫、結核の原因菌などのマイコプラズマ、トリパノソーマ、住血吸虫、リューシュマニア、アナプラズマ、エンテロウイルス、アストロウイルス、ライノウイルス、ノーウォークウイルス、毒素産生/病原性E.coli、ナイセリア、ストレプトマイセス、非類別ヘモフィルスインフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス、ガン細胞などのクラス2病原体は、非常に対照的な性質により特徴付けられる。たとえば、クラス2病原体は:(1)小児期から老年期まで発生および再発する感染によって、非常に広い宿主年齢範囲において感染および伝播することが多く;(2)微生物のゲノムの限定された領域でその遺伝子が不安定性を示し(このような病原体が進化に成功したことを証明);(3)場合によっては、宿主が複数年にわたり毎年感染を繰り返し且つ/または慢性/活動性または慢性/不顕性感染状態が確立しやすい状態が残ることが多い自然回復を含み;(4)狭いウイルス株特異的な防御を提供するか、防御を提供しないか、且つ/または感染の促進を提供する、非常に限られた免疫優性エピトープ群を指向するオリゴクローナル初期免疫応答を誘導し;且つ(5)感染またはワクチン接種後に、エピトープ遮断抗体、不定形一次免疫応答Igサブクラス、既往交差反応性記憶および不適切なTH1および/またはTH2サイトカイン代謝などの免疫調節不全を引き起こす。] [0003] 免疫学的レベルでは、非常に異なる病因物質によって、たとえばHIV−1とヒトライノウイルスを比較する時に認められるような、多様な病原性および疾患転帰が得られる。ディセプティブ・インプリンティング(偽装刷り込み)などのような、非常に成功度の高い免疫系回避戦略が進化し、宿主および微生物分類群にまたがって選択および維持される。したがって、たとえば病原体のディセプティブ・インプリンティングなどによって起こる脊椎動物の免疫系の作動不全は、HIV−1に感染しても、または60年間に年平均2〜6回感染する感冒ウイルスに感染しても、基本的には同じである。] [0004] 抗原の送達および発現に関する多少の進歩によって一部のクラス2病原微生物の免疫原性が改善されているものの、現在のワクチン技術は、ヒトに対する使用を目的とした新しく幅広い効果を示し且つ安全な承認済みワクチンに容易に転換されていない。その大部分は、同様のおよび異なる環境における脊椎動物宿主の防御系の起源、レパートリーの発達、維持、活性化、老化および共進化を支配する基本的な法則に対する理解が乏しいことが原因であると思われる。] [0005] 現在ヒトインフルエンザワクチンの開発において欠けているものは、ホモタイプ性が低くサブタイプへの依存性が低く、それゆえ現行の鶏卵技術による製造スキームで毎年行われている複数のサブタイプの混合および製造を必要としないような、免疫および防御を誘導する組成物である。適切な新製品は、インフルエンザウイルスの同サブタイプの抗原変異体もヘテロサブタイプも交差中和することができる免疫応答を誘導する、インフルエンザ組換えHAまたはNAサブユニットワクチンである。] [0006] インフルエンザはNIAIDカテゴリーC病原体であり、米国で毎年36,000例の死亡および220,000件の入院を引き起こす。呼吸器疾患であるインフルエンザは、感染者の咳またはくしゃみに由来する飛沫および/または汚染媒介物を介して拡散する。高リスク群には小児および高齢者が含まれ、またインフルエンザに罹患することによって続発性合併症であるインフルエンザ関連肺炎、上気道合併症(小児の中耳炎)および他の器官系の疾患(例:循環器系など)に至ることが多い。インフルエンザは、全世界で4千万人以上を死亡させた、史上最悪の汎流行である1918年のスペイン風邪の原因である。米国では、インフルエンザによる年間の直接医療費(入院、外来、投薬など)は46億ドルと見積もられている。さらに、インフルエンザによって毎年最大1億千百万就労日が失われ、これと関連して、病欠および生産性の低下によって米国産業界に70億ドル以上もの損失が生じる。重度のインフルエンザの流行による直接および間接損失(就労日の損失、通学日の損失など)は、少なくとも年間120億ドルである。] [0007] インフルエンザウイルスは、続発性細菌感染症が合併した場合、過剰罹患率および死亡率の原因であることが長年知られている。合併症には肺炎、気管支炎、鬱血性心不全、心筋炎、髄膜炎、脳炎および筋炎が含まれる。合併症高リスク者の集団には、慢性肺または循環器障害を有する集団、老人ホームを含む長期療養施設の入居者集団および85歳以上の集団がある。(インフルエンザの予防および管理についての予防接種実施諮問委員会(ACIP)の勧告.MMWR,1996,Vol45;およびThompson他,JAMA2003;289:179−186).米国の高齢者人口は1976年から1999年の間に倍増し、第二次世界大戦後のベビーブーマー世代の高齢化に伴い今後数年間上昇すると予測される。その年齢区分の人々は、年齢65から69歳の人と比較して、インフルエンザ関連疾患によって死亡する可能性が16倍高い。1990年代におけるインフルエンザ関連死亡の上昇に対するもう1つの重要な寄与因子は、最近蔓延したインフルエンザウイルスより毒性の高い形態であるインフルエンザA(H3N2)ウイルスが優勢なことである。] [0008] インフルエンザは、速やかに変異して新たな強毒株を形成する単鎖リボ核酸(RNA)ウイルスである。ウイルス株はインフルエンザA、BおよびCの3群に分けられる。ウイルスは、ヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)の2種類の表面糖タンパク質によりさらに15HAおよび9NAサブタイプに分類される。最近、NIAID/NIHの依頼により、ニューヨーク州で1996〜2004年に採取されたヒトインフルエンザウイルスの全ゲノムが解析され、同じHAを共有しているが持続性で系統学的に異なる複数の系統が同じ集団で同時に蔓延し、抗原的に新しいクレードが再集合および発生したことが判明した。HA抗原変異はヒトインフルエンザA型ウイルスの進化に対する支配的な選択圧となっている一方で、抗原変異ではなく持続しているウイルス系統内での再集合により抗原的に新しいクレードが出現するという知見は、現行の毎年インフルエンザワクチン株を選択して製造するという方法にとって重大な意味を持つ(Holmes他、PLoS Biol.2005 3(9):e300)。] [0009] 継続されている国際年間ウイルス追跡プログラムおよびこれに続く「反動的な(reactionary)」ワクチン製造の問題の中心は、抗原変異の問題である。抗原変異は、タンパク抗原の相同体(homologues)を個別にコードする特定の病原遺伝子の迅速な配列変異を確保するために進化したメカニズムであり、通常は複数の関連遺伝子の複製を伴い、病原体の表面抗原の構造変化をもたらす。したがって、感染または再感染時の宿主免疫系は病原体を認識する能力が低く、変化した抗原を認識する新たな抗体を作らなければ、その後に宿主が疾患と闘い続けることができない。その結果、宿主は当該ウイルス性疾患に対して完全に免疫されつづけることができない。この現象は、今日の最新のワクチン開発に対する驚異となるより恐ろしい問題の1つ、そうでなければ最も恐ろしい問題となっている。] [0010] 驚くべきことではないが、感染後または現在承認されている全てのワクチンの接種後の免疫応答は、サブタイプおよびウイルス株に対する特異性が高い。実際には、それは自然、実験感染およびワクチン接種の際に惹起された抗体は相同ウイルスのみを中和できることを意味する。サブタイプ/ウイルス株に特異的な液性免疫応答は、ヘマグルチニン分子の球状の頭部に認められる多様な抗原部位が比較的免疫優性であるために起こると見られる(Wiley他,Nature,1981;289:373−378)。より具体的には、抗体応答はHAの球状の頭部内の5つの主要な抗原部位に対応する。5つのHAエピトープ(A〜E)のうち、AおよびBの2部位は最も免疫優性であると共に、部分的にはウイルスの「抗原変異(antigenic drift)」として集合的に知られる再発点変異、欠失、およびN−結合グリコシル化部位の偶発的導入による、アミノ酸高頻度可変性の量が最も高い(Cox&Bender,Semin.Virol.1995;6:359−70;Busch他,Sci.286:1921,1999;Plotkin&Dushoff,PNAS100:7152,2003;およびMunoz&Deem,Vaccine23,1144,2005)。] [0011] Francisが1953年に初めて報告した抗原原罪(antigenic sin)(Ann.Int.Med.,1953,399:203)は一次免疫応答であり、相同体ではなく交叉反応ワクチンまたは後継ウイルスサブタイプ/株で追加免疫されると、先に接種した抗原との反応性の方が後継抗原に対する反応性より良好である抗体が新たに形成される。] [0012] 偶発的な記憶によって方向付けられた免疫特異性の喪失は、感染時および感染と感染の間に変化するウイルスに対する同等の強力な液性応答を加えるという現実的な問題を、宿主の免疫系に提起する。したがって、最も保存され且つウイルス株間交差免疫を生成する能力が高いと思われている、より免疫原性の低いエピトープに対するレパートリー発達は、抗原的階層が低いので、より機能的な交差反応性一次免疫および既往性免疫が自然感染および予防接種によって得られないことは驚くべきことではない。免疫優性エピトープが、抗原上のより保持され且つより免疫原性の低い領域から外れて、免疫応答を誤った標的に誘導する免疫学的現象は、当初「クローン優性」と名付けられ(Kohler他,J Acquir.Immune Defic.Syndr.1992;5:1158−68)、その後「ディセプティブ・インプリンティング」と改名された(Koehler他,Immunl. Today 1994 (10):475−8)。] [0013] ディセプティブ・インプリンティングの背後にある免疫優性の免疫学的メカニズムは完全に理解されておらず、またあるエピトープが免疫調節的および免疫優性に進化した経緯を完全に説明するメカニズムはまだない。該現象において認められる免疫応答の範囲は、宿主免疫系が近くにある近傍エピトープを認識しCD4 T細胞ヘルパーと干渉するのを妨害することもある、結合非防御/非中和、遮断さらには病原を増強さえする抗体を完全に誘導するまで、実験動物モデル−ウイルス攻撃系において受動的防御を誘導することのできる株/分離株特異性の高い中和抗体の誘導を含む。宿主のヘルパーおよびキラー細胞を介した免疫のT細胞に、より狭い範囲に焦点化したエピトープ群を生成する免疫優性による同じ免疫応答の囮作用が認められる(Gzyl他,Virology 2004;318(2):493−506;Kiszka他,J.Virol.2002 76(9):4222−32;およびGoulder他,J.Virol.2000;74(12):5679−90).] [0014] ワクチン接種は疾患を予防する最良の方法であり、また現在の三価死菌および修飾生菌(弱毒化)インフルエンザワクチンは、活動ウイルス株についての世界的疫学調査に基づいて毎年開発される。いずれのワクチンもインフルエンザAおよびインフルエンザBサブタイプを含む。承認されたインフルエンザワクチンは、2種類のインフルエンザAサブタイプ(H1N1およびH3N2)および1種類のインフルエンザBサブタイプに由来する不活化全ウイルスまたは化学的に分割されたサブユニット製剤からなる。インフルエンザワクチンの製造は、連続継代または他の高収率株との再集合によって、鶏卵における収率が高くなるよう選択した変異株を改変することを包含する。選択されたインフルエンザウイルスは鶏卵内で培養し、尿膜腔液よりインフルエンザビリオンを精製する。その後、全ウイルスまたはスプリットウイルス製剤はホルマリンなどの不活化剤を用いた処理によって死菌化される。米国のワクチン市場の90%以上は、市場シェアの50%以上を占めるAventis Pasteur、およびChiron(PowderJect)(U.K.)によって賄われている。鼻腔内ワクチンFluMist(登録商標)は2003年に承認され、販売開始された。] [0015] 現在入手できるインフルエンザワクチンの制約は以下のものを含む。] [0016] (1)高齢者における効力の低下。高齢者、特に施設入所者では疾患に対する防御率が低下している(Gorse他,J.Infec.Dis.190:11−19,2004)。65歳以上の被験者のうち、三価サブビリオンインフルエンザワクチンに対して有意な抗体応答が認められたのは30%未満であった(Powers&Belshe,J.Infec.Dis.167:584−592,1993);] [0017] (2)鶏卵を用いた製造。現在の製造工程は鶏卵に依存している。インフルエンザウイルス株は鶏卵内で良好に複製されなければならず、また毎年大量の鶏卵の供給を必要とする。適切なウイルスの組み合わせを確認する必要があるため、製造のリスクは毎年高い;] [0018] (3)90年代後半のA/Sydney/5/97といった遅発性の変異株に対応できない、または1997年に出現したHong Kong H5N1型ウイルスなどの潜在的汎流行株に対応できない;] [0019] (4)現在のインフルエンザ全ウイルスまたはスプリットウイルスワクチンによる防御は有効期間が短く、また抗原変異によってインフルエンザ流行株に遺伝子変化が発生するにつれて、有効性は減退する。理想的には、ワクチン株は疾患の原因となるインフルエンザウイルス株に一致する。鶏卵培養インフルエンザウイルスのヘマグルチニンは、感染者からの一次分離株と比較して変化が生じていることがあり(Oxford他,J.Gen.Virol.72:185−189,1989;およびRocha他,J.Gen.Virol.74:2513−2518,1993)、ワクチンが持っていると思われる有効性が低下する;] [0020] (5)鶏卵アレルギー患者については、ワクチンを鶏卵より製造するという副作用、および] [0021] (6) 現在承認されている製造系は、インフルエンザウイルスに感染した鶏卵1個につき1ワクチンが得られ、製造期間が約24週間である。] [0022] したがって、現在承認されているワクチンは:(1)年に1度再発生して流行期に蔓延する通常の抗原変異体、さらにサブタイプおよび再配列ウイルスを中和することのできる抗体を誘導せず;(2)高齢者に強力な免疫応答を惹起せず;さらに(3)たとえば一部のワクチンは小児に投与できないなど、副作用のために幅広い適応性が認められない。] 先行技術 [0023] Thomas Francis,Jr.in Proceedings of the American Philosophical Society,Vol.104,No.6(Dec.15,1960),pp.572−578,The Swine Flu Episode and the Fog of Epidemics by Richard Krause in DCD’s Emerging Infectious Diseases Journal Vol.12,No.1 January 2006 published December 20,2005による. Garrity,R.R.,G.Rimmelzwaan,A.Minassian,W.P.Tsai,G.Lin,J.J.de Jong,J.Goudsmit,and P.L.Nara.1997.Refocusing neutralizing antibody response by targeted dampening of an immunodominant epitope.J.Immunol.159:279−89. Kohler H,Goudsmit,J.Nara P.Clonal dominance:cause for a limited and failing immune response toHIV−1 infection and vaccination.J.Acquir.Immune Defic.Syndr.1992;5(11):1158−68. Andreansky,S.S.,John Stambas,Paul G.Thomas,Weidong Xie,Richard J.Webby,and Peter C.Doherty Consequences of immunodominant epitope deletion for minor influenza virus−specific CD8+ T cell responses.J.Virol.2005 Apr;79(7):4329−39. Nara,P.L.,and R.Garrity.1998.Deceptive imprinting:a cosmopolitan strategy for complicating vaccination.Vaccine16:1780−7. Nara,P.L.,R.R.Garrity,and J.Goudsmit.1991.Neutralization of HIV−1:a paradox of humoral proportions.FASEB J.5:2437−55. Nara,P.L.,and G.Lin.2005.HIV−1:the confounding variables of virus neutralization.Curr.Drug Targets Infect.Disord.5:157−70. Trujiollo,J.D.,N.M.Kumpula−McWhirter,K.J.Hotzel,M.Gonzalez,and W.P.Cheevers.2004.Glycosylation of immunodominant linear epitopes in the carboxy−terminal region of the caprine arthritis−encephalitis virus surface envelope enhances vaccine−induced type−specific and cross−reactive neutralizing antibody responses.J.Virol.78:9190−202.] 発明が解決しようとする課題 [0024] 本発明は、部分的に、増強された、または新規の免疫原性を有する新規インフルエンザ抗原に関する。対象となるインフルエンザ組成物は、異なるアレイにおよび/または新たに認識可能なエピトープを有するウイルスまたはウイルスサブユニット抗原を提供する修飾により、改善されたワクチンとして作用することができる。] 課題を解決するための手段 [0025] 新規免疫再焦点化技術と組み合わされ、サブユニットHAおよび/または組成物を生成するより効果的で迅速な組換え技術の使用は、交差株有効性が改善されたインフルエンザワクチンを生成することにより、現行のワクチン開発の実践を大きく変化させ、これにより現在毎年世界的に実施しているウイルス追跡の必要性を取り除き、このことで数百万ドル、鶏卵を用いた生成および製造を毎年設定するための時間および労力を含む転用された医療資源を節約し、さらには人命をも救う。 さらなる特性および長所が本明細書に記載され、また以下の「発明を実施するための形態」に明らかになるであろう。] [0026] 本明細書においては、インフルエンザはA、BおよびC型を含むウイルスと規定する。A型はヒトに対して最も毒性が強く、季節性流行、また時としてさらにまれには、より致死性の高い汎流行エピソードを引き起こす。種類は、ウイルス粒子表面に発現した抗原に対する宿主の免疫応答の反映である、血清型の番号によって規定される。ワクチン防御と相関するエピトープの大半を担持するウイルス表面の2つの構造は、ヘマグルチニン(HAまたはH)およびノイラミニダーゼ(NAまたはN)である。少なくとも16種類の既知のHサブタイプおよび少なくとも9種類の既知のNサブタイプが存在する。HAはウイルスの接着および融合を媒介する。NAはシアリダーゼ活性を有する。] [0027] 「野生型」は自然に発生する生命体を意味する。該用語は、自然変異によって発生して遺伝的浮動、自然選択などによって維持される多型などにみられるような、自然のプロセスにより自然に発生する集団の自然に発生する生命体に認められる核酸およびタンパク質と関連し、且つたとえば組換えなどの手段によって得られる配列を有する核酸またはタンパク質は含まない。] [0028] 本明細書では、「免疫原」および「抗原」は、たとえばその分子と結合する抗体、またはその分子を発現するウイルス感染細胞を認識するCD4+またはCD8+T細胞を含む、抗体(液性を介した)および/またはT細胞由来(細胞媒介)の特異的免疫応答を惹起する分子として互換的に用いられる。その分子は、特異抗体またはT細胞がそこに結合する1つまたはそれ以上の部位を含むことがある。当該技術分野で公知であるように、そのような部位はエピトープまたはデターミナントとして知られる。抗原はポリペプチド、ポリヌクレオチド、多糖類、脂質などであることも、さらには糖タンパク質またはリポタンパク質といったそれらの組み合わせであることもある。免疫原性化合物または生成物、または抗原化合物または生成物は、液性、細胞性、またはその両者であることができる特異的免疫応答を惹起する。] [0029] ワクチンは免疫防御応答を生成するために用いられる免疫原または抗原であり、すなわち抗体などの該応答は宿主において免疫原または抗原、またはこれを発現する実体の好ましくない影響を軽減する。用量は、当該技術分野で公知であるように、前臨床および臨床試験より導出、外挿および/または決定される。当該技術分野で公知であるように、また長期間の予防または非反応状態を確保するための必要に応じて、複数の用量を投与することができる。本発明の目的のワクチンの有用性についての良好なエンドポイントは、結果として誘発された免疫応答(例:液性および/またはT細胞媒介)の存在によってたとえば血清抗体、または対象となる抗原または免疫原と結合する、宿主のいずれかの組織または臓器より生成された抗体が生成することである。一部の実施形態においては、何らかの方法で誘導された抗体が、同族抗原または免疫原を担持する化合物、分子などと結合するか、または宿主が感染に由来し且つ/または臨床疾患を引き起こす病原体を中和、減少、防止および/または除去するよう誘導する。本発明の目的のための免疫防御は、曝露された宿主にこのような抗ウイルス性免疫応答(例:免疫原または感染細胞と結合する抗体および/またはT細胞)が存在することである。それは、ELISAおよび/またはヘマグルチニン阻害分析などの何らかの既知のイムノアッセイを用いて測定することができる。代替的に、ウイルス中和分析を用いて、たとえば血流中の中和抗ウイルス抗体の存在を確認することができる。本発明の目的のためには、宿主における免疫防御、すなわち血流中の抗インフルエンザ抗体の存在を少なくとも7日間、少なくとも14日間、少なくとも21日間、少なくとも30日間またはそれ以上確認することが、対象となるワクチンの有効性のエビデンスとなる。代替的に、一般的に、ワクチンの製造に用いた相同単一インフルエンザ株に対して約1:40のヘマグルチニン阻害(HI)力価を、候補ワクチンが得られたことを示すエンドポイントとすることができる。動物モデルにおいては、曝露後のあらゆる死亡の遅延を、本発明の目的のための防御のエビデンスとすることができる。したがって、インフルエンザ病原株に曝露したマウスの場合、第1のマウス群は曝露より約10日後に死亡することが多い。したがって、曝露したマウスに最初の死亡が発生した日が少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日またはそれ以上延長したか否かは、本発明の目的の防御と見なされる。免疫防御の期間は少なくとも14日間、少なくとも21日間、少なくとも28日間、少なくとも35日間、少なくとも45日間、少なくとも60日間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間またはそれ以上とすることができる。好ましくは、異種交配集団において、かつ病原体の異なる形態、サブタイプ、株、変異株、アレル等に対する免疫防御が認められる。対象となる組成物は、ウイルス粒子、不活化または弱毒化(修飾生菌)またはたとえばNAまたはHAなどのウイルスサブユニットを含むことができる。ただし本発明の文脈においては、組成物は、免疫減衰(immunodampened)免疫優性エピトープを発現する無傷な複製ビリオン上に認められるものと同様に、ウイルスタンパク質および抗原を発現する構造として当該技術分野で公知のウイルス様粒子(VLP)を含むことができる。通常、VLPにウイルス核酸またはその一部分が欠けていることで核酸の複製が阻害され、それによりVLPを非感染性とする。他の実施形態においては、抗原、デターミナントまたはその一部分は、野生型相同遺伝子を置き換えて野生型ウイルスのゲノムにクローン化される。その後、その組み換えウイルスは野生型ウイルス同様免疫減衰分子を保持する。したがって、たとえば、鶏卵内で良好に増殖するウイルス株を操作して免疫減衰分子を発現させることができ、またその組み換えウイルスは、鶏卵を用いた既存のワクチン製造の材料および方法を用いて増殖させ、免疫減衰ワクチンを得ることができる。] [0030] 「免疫優性エピトープ」は、宿主において、部分的であれ完全であれ、その抗原上の他のエピトープの有効なまたは機能的な排除に対する免疫応答を選択的に惹起するエピトープである。] [0031] 「エピトープを免疫減衰させる(ummunodampen)」とは、エピトープを修飾して宿主の免疫系がそのエピトープに対する抗体、ヘルパーまたはキラーT細胞を産生することを相当妨げることである。しかし免疫減衰は、前記エピトープまたはそのエピトープに対する反応性を必ずしも完全に除去するわけではない。] [0032] 免疫再焦点化(IR)または免疫再焦点化技術(IRT)を用いて、免疫優性エピトープを発現する病原体に対する有効なワクチンを作成することができる。該技術は、たとえば、高レベルの抗原変異を示す免疫優性エピトープを有することにより、宿主の免疫応答を回避するためにディセプティブ・インプリンティングとして知られる戦略を進化させた生命体において最も適切に適用される。通常、そのような免疫優性エピトープは、病原生命体の生存能力に影響することなく変化させることのできる複数のアミノ酸の形態をとる。] [0033] 抗原の免疫優性エピトープを免疫減衰すると、宿主生命体が、その抗原上の非優性エピトープに対する高力価抗体またはT細胞応答、および/またはそれ以外の比較的免疫的にサイレントなエピトープに対する新たな抗体力価またはT細胞反応を引き起こす。このような免疫減衰抗原は、変動性が中等度または高く且つ/または保持された免疫優性エピトープを伴う抗原を有する生命体に対し、有効なワクチンとして機能することができる。] [0034] 免疫優性エピトープは、病原生命体に感染した宿主生命体に由来する血清またはT細胞の反応性を検討することにより、同定することができる。血清は、宿主生命体において免疫応答を引き起こす可能性の高い同定された抗原と結合する抗体の含有量について評価される。免疫優性エピトープが存在する場合、血清中の相当多くの抗体が、抗原上または抗原内に存在する他のエピトープとほとんど結合することなく、免疫優性エピトープと結合するであろう。] [0035] 免疫優性エピトープを特定した後、該免疫優性エピトープを、本明細書で教示するように、本明細書に教示され且つ当該技術分野で公知である材料および方法を選択デザインとして用いて免疫減衰する。このような操作は、本明細書に教示され且つ当該技術分野で公知である方法を実践して、核酸レベル、タンパク質レベル、炭水化物レベルなど、またはそれらの組み合わせで実施することができる。] [0036] たとえば、N−結合炭水化物(CHO)の存在は、ポリペプチドの一次アミノ酸配列によって判定することができる。アスパラギンに続くいずれかのアミノ酸、および末端のセリンまたはトレオニンよりなり(N−X−S/T)、Xがプロリンまたはアスパラギン酸以外のいずれかのアミノ酸である三連アミノ酸配列は、N−結合CHO付加の標的である。N−結合グリコシル化部位は、当該技術分野で公知の方法および材料を実践することによって、エピトープに付加またはこれより除去することができる。] [0037] たとえば、分子的に導入されたN−結合セクオン(NXT/S)を示すHIVの組換えgp120は、免疫優性V3ドメインにおいて過剰なN−結合グリカンの付加をもたらし、野生型V3エピトープを認識する抗体とは結合できないが、これまでサイレントであったかまたは免疫原性がより低い他のエピトープに対する抗体応答を誘導するといった、新規抗原性を示した。過剰の炭水化物部分の存在は、HIV−1組換えウイルスの感染可能性を損なわなかった。組換え糖タンパクによって免疫された試験動物は、in vitroにおいて相同性および異種野生型HIV−1のいずれへの感染も中和する、中から高力価の抗体を示した。したがって、gp120/160のV3ドメイン内の免疫優性エピトープを免疫減衰すると、同じ抗原に位置する他の中和エピトープに再焦点化する免疫応答を引き起こしたが、これについては米国特許第5,585,250号および5,853,724号を参照されたい。] [0038] 代替的に、免疫優性エピトープの特定のアミノ酸を交換、置換または欠失して免疫原性を減衰させることができる。免疫減衰は、たとえば核酸がコードする抗原の部位特異的変異誘発などによって、免疫優性エピトープの1個のアミノ酸、2個のアミノ酸、3個のアミノ酸またはそれ以上の交換、置換または削除によって発生することがある。核酸および/またはポリペプチドを変化させる方法は本明細書に提供され、且つ当該技術分野で公知である。] [0039] 免疫減衰は、エピトープの特定のアミノ酸の変更、置換または欠失、またはたとえばエピトープ部位またはその近傍のグリコシル化部位などの付加といった、多様な技術のいずれによっても変更することができる。本明細書に教示するように、変更は、当該技術分野で公知な方法を実践してポリペプチドレベルまたはポリヌクレオチドレベルで実行することができる。したがってポリペプチドは、エピトープ上またはその中の標的部位に対する、1つまたはそれ以上の分子、基、化合物などの付加、削除または置換によって変化させることができる。たとえば、特定のアミノ酸を化学的誘導体化したり、またはポリエチレングリコールなどの多糖類などの追加的な基を担持するよう修飾したりすることができる。] [0040] 免疫原性構造を操作した後、インフルエンザの1つまたはそれ以上の免疫優性エピトープと結合する限定された既知の抗体に対するムテインの結合のスクリーニング分析を用いて、免疫減衰が発生したか判定することができる。たとえば、免疫優性エピトープの一次アミノ酸配列に対して1つまたはそれ以上の変化を含むようポリペプチドを合成することができる。代替的に、免疫優性エピトープの核酸配列を修飾して免疫減衰エピトープを発現させることもできる。したがって核酸配列は、たとえば部位特異的変異誘発などによって修飾し、アミノ酸の置換、挿入、欠失等を発現させることができ、その一部は免疫優性エピトープにおいて、またはその近傍において、免疫優性エピトープのまたはその近傍のN−グリコシル化またはO−グリコシル化を引き起こす変異などといった、グリコシル化部位を導入するなどの、さらなる修飾を導入してもよい。] [0041] エピトープムテイン(野生種とは異なる変異エピトープ)などを得るための1つの手順は「アラニンスキャニング変異誘発」である(Cunningham&Wells,Science244:1081−1085(1989);およびCunningham&Wells,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:6434−6437(1991))。1つまたはそれ以上の残基をアラニン(Ala)またはポリアラニン残基と交換する。その後、置換に対して機能的感受性を示すそれらの残基は、さらなる変異または他の変異を置換部位に、またはこれに代えて導入することにより精製することができる。したがって、アミノ酸配列変動を導入する部位は事前に決定するが、変異の性質それ自体は事前に決定する必要がない。スキャンした残基の所望の性質に応じて、同様の置換を他のアミノ酸で試みることもできる。] [0042] 修飾するアミノ酸残基を特定するより体系的な方法は、免疫系の刺激または免疫優性抗体の認識に関与する残基、および免疫系の刺激または免疫優性抗体の認識にほとんど関与しない残基を特定することを含む。関与する残基のアラニンスキャンを実施し、各Ala変異を免疫優性エピトープまたは免疫優性抗体認識に対する免疫系刺激の低下について試験する。他の実施形態においては、免疫系刺激にほとんど関与しない残基を選択して修飾する。修飾は、1つまたはそれ以上の残基の削除、1つの残基の置換または対象となる残基と隣接する1つまたはそれ以上の残基の挿入を包含することができる。しかし、修飾は通常当該残基の他のアミノ酸による置換を包含する。保存的置換を第1の置換とすることができる。もしこのような置換によって免疫系の刺激または既知の免疫優性抗体との反応性上昇が誘導されるならば、もう1度保存的置換を実施してさらに相当な変化が得られるか確認することができる。] [0043] 免疫優性エピトープ以外の免疫系応答を変化させる能力のさらにより大きな変化は、通常その部位にあるアミノ酸と性質がより大きく異なるアミノ酸を選択することにより達成することができる。したがって、そのような置換は:(a)たとえばシートまたはらせんコンフォメーションのような置換領域のポリペプチド骨格の構造;(b)標的部位における分子の電荷または疎水性、または(c)側鎖の嵩高さを維持しながら行うことができる。] [0044] たとえば、天然に発生するアミノ酸は側鎖の共通する性質に基づいた群に分けることができる:] [0045] (1)疎水性:メチオニン(MまたはMet)、アラニン(AまたはAla)、バリン(VまたはVal)、ロイシン(LまたはLeu)およびイソロイシン(IまたはIle);] [0046] (2)中性、親水性:システイン(CまたはCys)、セリン(SまたはSer)、トレオニン(TまたはThr)、アスパラギン(NまたはAsn)、およびグルタミン(QまたはGln);] [0047] (3)酸性:アスパラギン酸(DまたはAsp)、およびグルタミン酸(EまたはGlu);] [0048] (4)塩基性:ヒスチジン(HまたはHis)、リジン(KまたはLys)およびアルギニン(RまたはArg);] [0049] (5)鎖の配向に影響する残基:グリジン(GまたはGly)およびプロリン(PまたはPro)、および] [0050] (6)芳香族性:トリプトファン(WまたはTrp)、チロシン(YまたはTyr)およびフェニルアラニン(FまたはPhe)。] [0051] 非保存的置換は、アミノ酸と他の群のアミノ酸との交換を伴うことがある。保存的置換は、1群内での1つのアミノ酸と他のアミノ酸との交換を伴うことがある。] [0052] 好ましいアミノ酸置換は、免疫優性エピトープを減衰するが、たとえば: (1)タンパク質分解に対する感受性を低下、(2)酸化に対する感受性を低下、(3)免疫系刺激活性を変化、および/または(4)こうした類似体の他の物理化学的または機能的特性を付与または修飾するものも含む。類似体は、天然発生ペプチド配列以外の配列の多様なムテインを含むことができる。たとえば、単独または複数のアミノ酸置換(好ましくは保存的アミノ酸置換)は、天然発生配列内で行ってもよい。保存的アミノ酸置換は、一般的に、側鎖またはR基の嵩高さまたはコンフォメーションの変化を目的とするのでなければ、親配列の構造的特性を大きく変化させてはならない(例:交換アミノ酸は親配列において発生するらせんを崩壊させる傾向を持ってはならないか、または親配列を特徴付ける他の種類の二次構造を破壊してはならない)(Proteins,Structures and Molecular Principles(Creighton編,W.H.Freeman and Company,New York(1984);Introduction to Protein Structure,Branden&Tooze編,Garland Publishing,New York,NY(1991));およびThornton他,Nature354:105(1991))。] [0053] 通常、生物学的性質が変化を受けたエピトープ変異体は、親分子のアミノ酸配列との少なくとも75%の配列同一性または類似性、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%またはしばしば少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するであろう。本明細書においては、親アミノ酸配列に関する同一性または類似性は、配列を整合し、必要であれば配列同一性の割合が最大となるギャップを導入した後、親分子残基と同一(すなわち同じ残基)または類似した(すなわち共通する側鎖特性に基づく同一の群に属するアミノ酸残基、上述)候補配列のアミノ酸残基の割合として定義される。] [0054] 対象となる分子の共有結合修飾は、本発明の範囲に含まれる。このようなものは化学合成、または該当する場合は分子の酵素的または化学的開裂によって生成してもよい。当該分子の他の種類の共有結合修飾は、分子の標的化アミノ酸残基を、選択した側鎖またはN末端またはC末端残基と反応することができる有機誘導体化物質と反応させることにより、分子に導入することができる。] [0055] また、エピトープの構成要素を修飾することを目的として、多様な有機化学材料および方法を実践することができる。たとえば、国際公開第WO05/35726号は生体分子に認められる置換基の導入、修飾、変更または交換などのための多様な方法を教示する。] [0056] たとえばシステイニル残基は、クロロ酢酸またはクロロアセトアミドなどのα−ハロ酢酸(および対応するアミン)と反応させて、カルボキシルメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得ることができる。システイニル残基は、たとえばブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミダゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルリン酸、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ第二水銀安息香酸、2−クロロメルクラ−4−ニトロフェノールまたはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応により誘導体化することもできる。] [0057] ヒスチジル残基は、pH5.5〜7.0でジエチルピロカルボネートとの反応により誘導体化することができる。臭化p−ブロモフェナセチルも用いることができるが、反応は好ましくはpH6.0の0.1Mカコジル酸中で実施する。] [0058] リジニルおよびα−アミノ末端残基は、コハク酸または他のカルボン酸無水物と反応させて残基の電荷を反転させることができる。α−アミノ含有残基を誘導体化させるための他の適切な試薬は、メチルピコリンイミデートなどのイミドエステル、ピリドキサールリン酸、ピリドキサール、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素および2,4−ペンタンジオンを含み、またアミノ酸はグリオキシル酸と共にトランスアミナーゼによって触媒することができる。] [0059] アルギニル残基は、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオンおよびニンヒドリンなどの1種類または数種類の従来試薬との反応によって修飾することができる。アルギニン残基の誘導体化はしばしばアルカリ反応条件を必要とする。さらに、試薬はリジンやアルギニンε−アミノ基と反応することもある。] [0060] チロシル残基の特異的な修飾は、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンによって実施することができる。たとえば、N−アセチルイミダゾールおよびテトラニトロメタンを用いて、それぞれO−アセチルチロシル分子種および3−ニトロ誘導体を形成することができる。] [0061] カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)は、RおよびR’を1−シクロヘキシル−3−(2−モルホニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルフェニル)カルボジイミドなどの異なるアルキル基とすることができるカルボジイミド(R−N=C=C−R’)との反応によって修飾することができる。さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によりアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換することができる。] [0062] グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、中性または塩基性条件下で、しばしば脱アミド化されてそれぞれ対応するグルタミルおよびアスパルチル残基となる。それらの残基の脱アミド化された形態は、本明細書の範囲内にある。] [0063] その他の修飾は、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリニルまたはトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニンおよびヒスチジンのα−アミノ基のメチル化(Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman&Co.,San Francisco,pp.79−86(1983))、およびN末端アミンのアセチル化およびあらゆるC末端カルボキシル基のアミド化を含む。] [0064] もう1種類の共有結合修飾は、対象となる分子にグリコシドを化学的または酵素的にカップリングさせることを包含する。カップリングの方法に応じて、糖は:(a)アルギニンおよびヒスチジン;(b)遊離のカルボキシル基;(c)システインなどのような遊離のスルフヒドリル基;(d)セリン、トレオニンまたはヒドロキシプロリンなどのような遊離のヒドロキシル基;(e)フェニルアラニン、チロシンまたはトリプトファンなどのような芳香族残基;または(f)グルタミンのアミド基と結合してもよい。このような方法は国際公開第WO87/05330およびAplin&Wriston,CRCCrit.Rev.Biochem.,pp.259−306(1981)に記載されている。糖残基も、たとえばグルコシルトランスフェラーゼ、シアニルトランスフェラーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼなどを用いて酵素的に付加することができる。] [0065] 対象となる分子上に存在するすべての炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的に遂行することができる。化学的脱グリコシル化は、たとえば分子を化合物、トリフルオロメタンスルホン酸または同等の化合物に曝露し、架橋糖(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)を除く大半のまたはすべての糖を開裂しながら、残りの分子を未変化のまま残すことを必要とすることがある。化学的脱グリコシル化は、たとえばHakimuddin他,Arch.Biochem.Biophys.259:52(1987)およびEdge,Anal.Biochem.118:131(1981)に記載されている。分子上の炭水化物部分の酵素的開裂は、たとえばThotakura他,Meth.Enzymol.138:350(1987)に記載されているような、多様なエンドグリコシダーゼおよびエキソグリコシダーゼのいずれかによって遂行することができる。したがって、マンノシダーゼ、フコシダーゼ、グルコサミノシダーゼ、ガラクトシダーゼなどを用いることができる。] [0066] インフルエンザのHA、NAなどをコードするRNAまたはDNAは、従来法を用いて容易に分離および配列決定される(例:関連遺伝子に対して特異的に結合することのできるオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって、Innis他、inPCRProtocols.A Guide to Methodsand Applications,Academic(1990),およびSanger他,Proc.Natl.Acad.Sci.74:5463(1977))。一旦分離されたならば、DNAを発現ベクターに配置し、次にE.coli細胞、NS0細胞、COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または骨髄腫細胞などの宿主細胞内に配置して、組換え宿主細胞内で対象となるタンパク質の合成を得てもよい。またRNAまたはDNAは、たとえば特定の宿主において塩基を置換してコドン活用を最適化するか、または異種のポリペプチドのコード配列と共有結合的に連結することによって修飾してもよい。] [0067] インフルエンザウイルス、抗原、構成要素、サブユニット、HA、NAなどの「機能的フラグメント、部分、変異体、誘導体または類似体」など、さらにはその形態という語句および用語、さらにはその組み合わせは、野生型と質的に共通する生物学的活性を有する要素、またはそれから変異体、誘導体、類似体などが誘導される親要素に関する。たとえば、HAの機能的部分、フラグメントまたは類似体は、天然HAが刺激するのと同様に免疫応答を刺激するが、該応答はHA上の異なるエピトープに対するものであることがある。] [0068] したがって、本発明の範囲内に含まれるものは、対象となるウイルスの機能的同等物、またはその一部分またはその誘導体である。用語「機能的同等物」は、ウイルスおよびインフルエンザに対する免疫応答を刺激する能力を伴うその一部分を含む。] [0069] HA、NA、M2または組み合わせを担持する膜または非膜製剤などの、対象となるインフルエンザウイルスの一部分、さらには他の何らかのインフルエンザ抗原の製剤は、当該技術分野で公知である方法を実施することによって得ることができる。1つまたはそれ以上の免疫優性非防御エピトープ(IDNPE、ウイルス株特異的ではあるがより範囲の狭い免疫を刺激するエピトープも含む)を、たとえば分子内修飾(例:削除、電荷変更、1つまたはそれ以上のN−結合セクオンなどの付加など)によって除去または減衰し、さらに未処置動物に抗原として投与する時、IDNPEに対する変化によって、B細胞およびT細胞のいずれか一方または両者のレベルで、準優性または元々サイレントなエピトープに対する新たな免疫応答の階層を誘導することができる((Garrity他,J.Immunol.(1997)159(1):279−89)。本明細書に記載のその技術は、「免疫再焦点化(Immune Refocusing)」として知られる。] [0070] 一旦変化させれば、変化によって、ここで修飾された免疫優性エピトープ、「減衰されたエピトープ、抗原など」の反応性が低下するなどの変化が起こるか否かは、本明細書に教示するとおりに、または当該技術分野で公知であるとおりに判定される。それは、たとえばELISAまたはウエスタンブロッティングなどにより、その優性エピトープと反応することが知られている規定の抗血清と減衰された抗原の反応性を測定することによりin vitroで試験することができる。In vivo試験してそれらの減衰した抗原が免疫原性であるかおよび宿主がそれに対する免疫応答を生成するか判定するために、それらの規定の抗血清との反応性の低下を示す候補を選択する。したがって、たとえば、当該技術分野で公知の方法でマウスを減衰抗原に対して免疫し、血清を採取し、これに対する反応性をin vitro測定で試験する。次にその抗血清を野生型ウイルスに対して試験し、抗体がまだ野生型エピトープまたは野生型抗原を認識するか判定する。それは、たとえばELISAまたはウエスタンブロッティングにおいて実施される。後者は、特定の免疫優性エピトープが結合するか、また抗血清がインフルエンザに対して反応性を維持するか、サイズおよび可能性、マウス抗血清と反応性のあるエピトープを担時する分子の同一性を解明し、有用な情報をもたらすことができる。] [0071] 親免疫優性抗原と結合する既知の抗血清に対する反応性が低下しているか、またはもはやこれと反応しないものの、宿主においては免疫原性を維持しているそれらの候補免疫減衰抗原を候補ワクチンとして選択し、さらに試験する。候補は、免疫再焦点化エピトープを免疫認識の目標としながら、親免疫優性抗原に対する反応性を刺激して促進してもよい。たとえば、これに対するマウス抗血清は、標準化された抗ウイルス性分析において、数多くのインフルエンザ株との反応性について試験し、その抗体がどれだけ一般的であるか、すなわち減衰抗原上状の新たに認識されたエピトープが幅広いインフルエンザ株に対して一般的であるか、および抗体が幅広い抗ウイルス活性を有しているか判定することができる。] [0072] したがって、組換えHA(rHA)サブユニットタンパク質ワクチンは、インフルエンザウイルスの相同株からの攻撃に対する防御として十分であり得る。rHAは高齢の成人に対する免疫原としても使用することができる。本明細書に教示されるような第二世代の免疫再焦点化HAサブユニットワクチンは、異種株に対する防御免疫も誘導することが可能であった(Treanor他,J.Infectious Diseases2006;193:1223−8)。] [0073] 1つの実施形態においては、インフルエンザのHAおよびNAは、好ましくは多様な種類のウイルス株などに対して活性な広い範囲およびスペクトルの1つである、免疫防御応答のための新たな標的として、HAおよびNA上のその他の非優性部位に対して宿主免疫応答を再焦点化するための標的として選択される。] [0074] たとえば、HAはA〜Eとして知られる5種類の免疫優性部位またはエピトープを有する。部位AはHA型株のアミノ酸140〜146を含み、且つ配列KRRSNKS(SEQID NO:1)を有する。Wyoming株においては、その部位はすでにHong Kong株と比較してこれと関連する3つのグリコシル化部位を有する。したがって1つの手法は、たとえばKRRSNKS(SEQ ID NO:1)配列を、たとえばGGと交換することにより、部位Aによって定義されるループ構造を取り除くことである。] [0075] 部位Bは、配列SDQISLYAQ(SEQID NO:2)を伴うHAのアミノ酸189〜197を含む。それは、配列KYKY(SEQ ID NO:3)を有するアミノ酸158〜161と相互作用するらせんを形成する。B部位には、QISをNASで置換する;SLYをNITで置換する;158のKYKをNSTで置換する;および159のYKYをNTSで置換するなど、考えられる多数の変更を行うことができ、これらの変更はいずれもそれら4部位においてN−グリコシル化配列を導入する。] [0076] 部位Cは配列KCNを有するアミノ酸276〜278を含む。NCTはKCNを置換することができる。] [0077] 部位Dは、アミノ酸201〜220に大きな逆平行ループを含む。ループ全体を削除することができる。また、部位201〜203のRITをグリコシル化部位NITで置換することができる。] [0078] 部位Eはアミノ酸79〜82、FQNK(SEQID NO 4)を含む。QNKをグリコシル化部位NETで置換することができる。] [0079] 上記の変更は、部位BにおけるNSTおよびNTS変更のいずれかを、例えば、提案された部位Cおよび/またはEに対する変更等と組み合わせることができる。] [0080] 上記の免疫優性部位への変更は、当該技術分野で公知であるクローニング、部位指向性変異誘発、増幅などによって得ることができる。] [0081] したがって、上記のA部位変更は、上述の削除およびその削除部位へのGGジペプチドの挿入を含む配列GTSSACGGFFSRLN(SEQID NO:7)を得るためのプライマーATop:GGAACAAGCTCTGCTTGCggcggtTTCTTTAGTAGATTGAATTGG(SEQ ID NO:5)およびABottom:CCAATTCAATCTACTAAAGAAaccgccGCAAGCAGAGCTTGTTCC(SEQ ID NO:6)を用いて得ることができる。] [0082] B部位の変化は、配列QISLYANASGRI(SEQID NO:10)を得るためのプライマーB1Top:CAAATCAGCCTATATGCTaatGCATCAGGAAGAATCAC(SEQ ID NO:8)およびB1bottom:GTGATTCTTCCTGATGCattAGCATATAGGCTGATTTG(SEQ ID NO:9);配列HHPVTDNDTISLYAQ(SEQ ID NO:13)を得るためのプライマーB2Top:CACCACCCGGTTACGGACaatGACacAATCAGCCTATATGCTCAAGC(SEQ ID NO:11)およびB2bottom GCTTGAGCATATAGGCTGATTgtGTCattGTCCGTAACCGGGTGGTG (SEQ ID NO:12);配列DSDQINLSAQASG(SEQ ID NO:16)を得るためのプライマーB3Top:CGGACAGTGACCAAATCAatCTAtcTGCTCAAGCATCAGGAAG(SEQ ID NO:14)およびB3Bottom:CTTCCTGATGCTTGAGCAgaTAGatTGATTTGGTCACTGTCCG(SEQ ID NO:15);配列NWLTHLNYTYPALNV(SEQ ID NO:19)を得るためのプライマーB4top:GAATTGGTTGACCCACTTAAAtTACAcATACCCAGCATTGAACGTGAC(SEQ ID NO:17)およびB4bottom:GTCACGTTCAATGCTGGGTATgTGTAaTTTAAGTGGGTCAACCAATTC(SEQ ID NO:18);および配列NWLTHLKNKTPALNVTM(SEQ ID NO:22)を得るためのプライマーB5top:GAATTGGTTGACCCACTTAAAAaACAAAacCCCAGCATTGAACGTGACTATG(SEQ ID NO:20)およびB5bottom:CATAGTCACGTTCAATGCTGGGgtTTTGTtTTTTAAGTGGGTCAACCAATTC (SEQ ID NO:21)を用いて得ることができる。] [0083] C部位の変化は、配列SDAPIGNCSSECIT(SEQID NO:25)を得るためのプライマーC1top:GATCAGATGCACCCATTGGCAAtTGCAgTTCTGAATGCATCACTCC(SEQ ID NO:23)およびC1bottom:GGAGTGATGCATTCAGAAcTGCAaTTGCCAATGGGTGCATCTGATC(SEQ ID NO:24)を用いて得ることができる。] [0084] D部位の変化は、配列LYAQASGNITVSTKRS(SEQID NO:28)を得るためのプライマーD1Top:CTATATGCTCAAGCATCAGGAAatATCACAGTCTCTACCAAAAG(SEQ ID NO:26)およびD1Bottom:CTTTTGGTAGAGACTGTGATatTTCCTGATGCTTGAGCATATAG(SEQ ID NO:27)を用いて得ることができる。] [0085] E部位の変化は、配列DGFQNKTWDLFVE(SEQID NO:31)を得るためのプライマーE1Top:GATGGCTTCCAAAATAAGAcATGGGACCTTTTTGTTGAAC(SEQ ID NO:29)およびE1bottom:GTTCAACAAAAAGGTCCCATgTCTTATTTTGGAAGCCATC(SEQ ID NO:30)を用いて得ることができる。] [0086] HAS1:CAGTCCTCATCAGATCCTTG(SEQID NO:32)、HAS2:GGTAAGGGATATCTCCAGCAG(SEQ ID NO:33)プライマーを、HAS3:cgcgattgcgccaaatatgcc(SEQ ID NO:34)をネガティブとして、配列決定に用いることができる。] [0087] 多くの抗原部位は荷電アミノ酸残基に富む。したがって他の手法は、それらの荷電した残基を置換アラニン残基で置換することによって交換することである。このような変化の例は、A部位におけるKRRからAGA;B部位におけるKYKY(SEQID NO:3)からAYKY(SEQ ID NO:35)およびSDQIからSAQI(SEQ ID NO:36);C部位におけるKCNからACNおよびD部位におけるRITからAITを含む。] [0088] さらに、B部位の疎水性チロシン残基の機能を評価するための変異は、SLYをSLTに交換することにより得ることができる。] [0089] B細胞エピトープに加えて、T細胞エピトープも免疫減衰することができる。残基177から199の領域内の主要なCD4エピトープは、すでに標的とされたB部位の外部にあるMHCクラスII結合エピトープを含む。T細胞応答を減衰させる残基LYIWGVHHP(SEQID NO:37)の変異は、LYIWをVYIW(SEQ ID NO:38)またはVTIW(SEQ ID NO:39)で交換すること;およびVHHPをIHAG(SEQ ID NO:40)で交換することを含む。] [0090] 生物学的医薬品は、米国食品医薬品局または欧州医薬品庁などの規制当局からヒト製品に対する承認を得るために、関係する規制当局が規定する純度、安全性および力価基準を満たさなければならない。それらの基準を満たすワクチンを製造するために、たとえば伝達性海綿状脳症(本明細書では「TSE」と呼ぶ)を含まないことが証明された培地内に組換え生命体を維持することができる。] [0091] たとえば、1つの好ましい実施形態は組換えサブユニットワクチンの使用に関するものであるものの、ヒトに使用するようデザインされた細菌内で、プラスミドを選択および維持するために抗生物質抵抗性マーカーを使用することは、常に理想的とは限らないので、ワクチンコード配列を有するプラスミドは、非抗生物質選択マーカーを担時する。したがって本発明は、1つの実施形態においては、たとえば、異化酵素の基質を炭素源として含有する培地内での細菌の発育を可能とすることにより、前記異化酵素を選択マーカーとして利用する選択戦略を提供する。そのような異化酵素の例は乳糖取り込みおよびβ−ガラクトシダーゼをコードするlacYZ、(Genbank Nos.J01636,J01637,K01483またはK01793)を含むが、これに限定されない。限定された培地内で代謝的利益を提供するその他の選択マーカーは、ガラクトース利用のためのgalTK(GenBankNo.X02306)、ショ糖利用のためのsacPA(GenBank No.J03006)、トレハロース利用のためのtrePAR(GenBank No.Z54245)、キシロース利用のためのxylAB(GenBank No.CAB13644およびAAB41094)等を含むが、これに限定されない。代替的に、選択はsacBアレル(GenBank No. NP_391325)などの毒性アレルを阻害するアンチセンスmRNAの使用を包含することもできる。] [0092] 試験するために、たとえば、前臨床データを得ることを目的として、対象となる免疫原をヒト以外の哺乳類に投与する。ヒト以外の哺乳類の例は、ヒト以外の霊長類、イヌ、ネコ、齧歯類およびその他の哺乳類を含む。そのような哺乳類は、製剤によって治療する疾患のために確立された動物モデルであっても、または対象となる免疫原の毒性を試験するために用いてもよい。それらの各実施形態において、該哺乳類における用量漸増試験を実施してもよい。] [0093] 新規ワクチンを製剤化するために用いられる具体的な方法および本明細書に記載された製剤は、本発明にとって重要ではなく、且つ生理学的緩衝液(Felgner他、米国特許第5,589,466号(1996));リン酸アルミニウムまたはヒドロキシリン酸アルミニウム(例:Ulmer他,Vaccine,18:18(2000)),モノホスホリル−脂質A(MPLまたはMPLAとも呼ばれる;Schneerson他,J.Immunol.,147:2136−2140(1991);例:Sasaki他,Inf.Immunol.,65:3520−3528(1997);およびLodmell他,Vaccine,18:1059−1066(2000))、QS−21サポニン(例:Sasaki他,J.Virol.,72:4931(1998));デキサメタゾン(例:Malone他,J.Biol.Chem.269:29903(1994));CpGDNA配列(Davis他,J.Immunol.,15:870(1998));インターフェロン−α(Mohanty他,J.Chemother.14(2):194−197,(2002)),リポ多糖(LPS)拮抗物質(Hone他,J.Human Virol.,1:251−256(1998))などから選択されることも、あるいはこれらを含むこともできる。] [0094] 本明細書の製剤は、治療する特定の適応症に対する必要性に応じて、好ましくは互いに有害な影響を与えない相補的な活性を有する、2つ以上の活性化合物を含有してもよい。たとえば、さらにアジュバントを提供することが望ましいことがある。そのような分子は、意図した目的にとって有効な量で組み合わせて適切に存在する。アジュバントは、抗原の投与の前または後に連続して投与することができる。] [0095] 対象となる免疫原は、治療薬として、これとコンジュゲートまたは混合され、コンジュゲートとして別に組み合わせて投与され、使用前に混合されるなどする治療的部分などの第2の成分と共に使用することができるが、これについてはたとえばLevine他編,New Generation Vaccines.2nd Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,1997)などを参照されたい。治療薬は、意図する目的のために用いられるあらゆる薬剤、ワクチンなどとすることができる。したがって、治療薬は生物学的製剤、小分子などとすることができる。対象となる免疫原は、たとえば、第2の免疫減衰または非免疫減衰インフルエンザ免疫原組成物と同時に、または連続して投与することができる。したがって、対象となる免疫減衰抗原を既存のワクチンと組み合わせることができるが、既存のワクチンが鶏卵で製造される場合、その手法はその使用を最小化するであろう。] [0096] 用語「小分子」および類似の用語は、免疫応答を刺激するか、または免疫原性であるか、または所望の薬理活性を有するペプチド、ペプチド模倣物質、アミノ酸、アミノ酸類似物、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似物、炭水化物、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似物質、1モル当たり約10,000g未満の分子量を有する有機または無機化合物(すなわちヘテロ有機および/または有機金属化合物を含む)、1モル当たり約5,000g未満の分子量を有する有機または無機化合物、1モル当たり約1,000g未満の分子量を有する有機または無機化合物、1モル当たり約500g未満の分子量を有する有機または無機化合物、およびその塩、エステル、その組み合わせおよびそのような化合物の医薬品として許容できる他の形態を含むが、これに限定されない。] [0097] したがって、本発明の免疫原は単独でも、または第2の免疫原または治療する疾患の治療を含む他の種類の治療と組み合わせて投与してもよい。第2の成分は免疫刺激物質とすることができる。] [0098] さらに、本発明の免疫原は異種ポリペプチド、薬剤、放射性ヌクレオチドなどの多様なエフェクター分子とコンジュゲートしてもよいが、これについてはたとえば国際公開第WO92/08495号;国際公開第WO91/14438号;国際公開第WO89/12624号;米国特許第5,314,995号;および欧州特許第396,387を参照されたい。免疫原は、抗生物質などの治療的部分(例:治療薬または放射性金属イオン(例:たとえば231Biなどの・))またはアジュバントとコンジュゲートしてもよい。] [0099] 本発明の治療化合物は、インフルエンザと関連する少なくとも1つの症状を軽減する。本発明の製品は、当該技術分野で公知であるか、または本明細書に記載の医薬品として許容できる組成物に含めて提供してもよい。「生理学的に許容できる」「医薬品として許容できる」などの用語は、連邦または州政府の規制当局によって承認されたか、または米国薬局方または他の一般的に承認された薬局方にヒトにおける使用について列記されていることを意味する。] [0100] 対象となる製品は、何らかの許容できる方法で哺乳類に投与することができる。導入の方法は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、鼻腔内、硬膜外、吸入、および経口経路、さらに免疫抑制治療のために望ましいのであれば、病変内投与を含むが、これに限定されない。非経口注入は、筋肉内、皮内、静脈内、動脈内または腹腔内投与を含む。製品または組成物は、たとえば注入またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜内膜を経た吸収(例:口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)によってなど、何らかの簡便な経路より投与しても、また他の生物学的活性物質と共に投与してもよい。投与は全身とすることも局所とすることもできる。さらに、脳室内および髄腔内注射を含む何らかの適切な経路によって、本発明の治療的製品または組成物を中枢神経系に導入することが望ましいこともあり;脳室内注射はたとえばOmmayaレザバーなどのレザバーなどと接続された脳室内カテーテルによって容易に実施できることがある。さらに、製品はパルス注入、特に対象となる製品の用量を低下させると、適切に投与することができる。好ましくは、投与は注射によって、部分的には投与が短時間であるか長時間であるかに応じて、好ましくは静脈内または皮下注射によって行われる。] [0101] たとえばリポソーム、微小粒子またはマイクロカプセル内への封入を含めた、他の多様な送達系が知られており、本発明の製品の投与に用いることができる(Langer,Science249:1527(1990);Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Berestein他編,(1989)を参照)。] [0102] 有効成分は、たとえばコアセルベーション技術、またはたとえばヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ−(メタクリン酸メチル)マイクロカプセルなどの界面重合によって、それぞれコロイド薬物送達系内(たとえばリポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルジョンといった、調製されたマイクロカプセル内に補足することができる。このような技術はRemington’s Pharmaceutical Sciences,16th edition,A.Osal編(1980)に開示されている。] [0103] たとえばインヘラーまたはネブライザーなど、およびエアロゾル化剤を含む製剤の使用による肺投与も利用することができる。対象となる組成物は、乾燥粉末組成物の形態で患者の肺内に投与してもよいが、これについては米国特許第6,514,496を参照されたい。] [0104] 治療を必要とする領域に本発明の治療製品または組成物を局所投与することが望ましいこともあり;これはたとえば局所注入、局所塗布、注射、カテーテルによって、坐薬によってまたはインプラントによって達成してもよいがこれに限定されず、前記インプラントはシアラスティック膜またはファイバーなどのハイドロゲルまたは膜を含む多孔質、無孔質またはゼラチン材料のものである。好ましくは、本発明の製品を投与する場合、タンパク質が吸収または吸着しない材料を使用するよう留意する。] [0105] さらに他の実施形態においては、製品は放出制御系において送達することができる。1つの実施形態においては、ポンプを用いてもよい(Langer,Science249:1527(1990);Sefton,CRCCrit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwald他,Surgery88:507(1980);およびSaudek他,NEJM 321:574(1989)を参照)。他の実施形態においては、ポリマー材料を用いてもよい(Medical Applications of Controlled Release,Langer他編,CRC Press(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,Smolen他編,Wiley(1984);Ranger他,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61(1983)を参照;Levy他,Science228:190(1985);During他,Ann.Neurol.25:351(1989);およびHoward他,J.Neurosurg.71:105(1989)も参照)。さらに他の実施形態においては、放出制御系は治療の標的の近傍に留置することができる。] [0106] 対象の製品と共に用いるための徐放製剤を調製してもよい。徐放製剤の適切な実施例は、基質がたとえばフィルムまたは基質などの成形物の形状である、免疫原を含有する固形疎水性ポリマーの半透過性基質を含む。このような徐放性基質の適切な実施例はポリエステル、ハイドロゲル(たとえばポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸およびエチルL−グルタミン酸コポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー(乳酸−グリコール酸コポリマーより構成される注射用マイクロスフェアなど)およびポリD−(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。エチレン−酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸などのポリマーは100日間にわたる分子の放出を可能とするが、ある種のハイドロゲルはより短い期間中および期間内に細胞、タンパク質および製品を放出する。関係するメカニズムに応じた安定化についての合理的な戦略を考案することができる。] [0107] 組成物は溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤、デポーなどの形態をとることができる。組成物は、従来の結合剤およびトリグリセリドなどの担体と共に坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、医薬品等級のマンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含む。適切な担体の例は、Martinの「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。このような組成物は、患者に対する適切な投与のための形態を提供するよう、好ましくは精製された形態で、有効量の免疫原を適切な量の担体と共に含有する。当該技術分野で公知であるように、製剤は投与の形態に適合するよう構成されるであろう。] [0108] 製品の治療製剤は、所望の程度の純度を有する製品を、従来技術で典型的に利用される医薬品として許容できる任意の担体、希釈剤、添加剤または安定化剤、すなわち緩衝剤、安定化剤、防腐剤、等張化剤、非イオン性洗剤、抗酸化剤および他の多様な添加剤と混合することにより、凍結乾燥製剤または水溶液として保存するために調製してもよいが、これについてはRemington’s Pharmaceutical Sciences,16th ed.,Osol,ed.(1980)を参照されたい。そのような添加剤は、一般的に利用される用量および濃度においてレシピエントに対して無毒性であるので、賦形剤、希釈剤、単体などは医薬品として許容される。] [0109] 免疫再焦点化ポリペプチド(他のインフルエンザタンパク質を含む汚染タンパク質をほとんど含まないサブユニットとして製造することが可能な抗原、その一部、エピトープ、デターミナントなどを、他のウイルスまたは非ウイルスポリペプチドと共に;組換えウイルス、VLPにおいて、または1つまたはそれ以上のウイルスまたは細胞由来タンパク質と組み合わせて発現または製造することのできる、対象となるIRポリペプチドとして;分離された分子として発現または製造した後1つまたはそれ以上のウイルスまたは細胞由来タンパク質と組み合わせることのできるIRポリペプチドとして;等として含む)は、相当純度の高い形態で得ることができる。「分離された」または「精製された」免疫原は、免疫原が得られる培地に由来する汚染タンパク質をほとんど含まないか、または化学的に合成された成分を含む使用培地内に化学的前駆体または他の化学物質をほとんど含まない。用語「細胞内物質をほとんど含まない」は、それより免疫原を分離または組換えによって製造する、死細胞および細胞膜、ゴーストなどの細胞の一部を含む細胞の細胞内成分から分離することのできる成分を形成するために細胞を破壊する細胞の調製を含む。したがって、細胞内物質をほとんど含まない免疫原は、細胞内汚染物質または対象となる製品と異なる他のあらゆる要素を約30%、25%、20%、15%、10%、5%、2.5%または1%(乾燥重量)未満有する免疫原の製剤を含む。] [0110] 本明細書で用いるところの、免疫原を含む液状製剤の文脈における用語「安定性」および「安定な」は、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間またはそれ以上などの所与の製造、調製、輸送および貯蔵条件の下での、熱的および化学的凝集、分解または断片化に対する、製剤中の免疫原の抵抗性を指す。本発明の「安定な」製剤は、所与の製造、調製、輸送および貯蔵条件の下で80%、85%、90%、95%、98%、99%または99.5%と同等またはそれ以上の生物学的活性を保持する。前記免疫原製剤の安定性は、標品と比較した顕微鏡などによる物理的観察、粒子径および個数の測定などを含むがこれに限定されない、当業者に既知である方法によって凝集、分解または断片化の度合いによって評価することができる。] [0111] 用語「担体」は、それを用いて治療薬を投与する希釈剤、アジュバント、賦形剤または溶媒を指す。そのような生理学的担体は水、またはラッカセイ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などのような石油、動物、植物または合成由来油のような無菌の液状物とすることができる。医薬組成物を静脈内投与する場合、水は適切な担体となる。生理食塩水およびデキストロースおよびグリセロール水溶液も、特に注射液のために、液状担体として利用することができる。適切な医薬品賦形剤はデンプン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石灰、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、エタノールなどを含む。所望の場合は、組成物は少量の湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝化剤も含むことができる。担体は塩および/または緩衝剤を含むことができる。] [0112] 緩衝化剤によって、生理学的状態を近似する範囲にpHを維持することができる。緩衝化剤は、好ましくは約2mMから約50mMの範囲の濃度で存在する。本発明と共に用いるための適切な緩衝剤は、クエン酸緩衝剤(例:クエン酸一ナトリウム−クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸三ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸緩衝剤(例:コハク酸−コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸−水酸化ナトリウム混合物、コハク酸−コハク酸二ナトリウム混合物など)、酒石酸緩衝剤(例:酒石酸−酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸−酒石酸カリウム混合液、酒石酸−水酸化ナトリウム混合物など)、フマル酸緩衝剤(例:フマル酸−フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸−フマル酸二ナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム−フマル酸二ナトリウム混合物など)、グルコン酸緩衝剤(例:グルコン酸−グルコン酸ナトリウム混合物、グルコン酸−水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸−グルコン酸カリウム混合物など)、シュウ酸緩衝剤(例:シュウ酸−シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸−水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸−シュウ酸カリウム混合物など)、乳酸緩衝剤(例:乳酸−乳酸ナトリウム混合物、乳酸−水酸化ナトリウム混合物、乳酸−乳酸カリウム混合物など)および酢酸緩衝剤(例:酢酸−酢酸ナトリウム混合物、酢酸−水酸化ナトリウム混合物など)などの有機酸および無機酸の両者およびその塩を含む。リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤、Tris、HEPESなどのトリメチルアミン塩および他のこのような既知の緩衝剤を用いることができる。] [0113] 防腐剤は、微生物の発育を遅延させるために添加してもよく、また0.2%〜1%(w/v)の範囲の量で加えてもよい。本発明に用いるために適した防腐剤は、フェノール、ベンジルアルコール、m−クレゾール、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、ハロゲン化ベンザルコニウム(例:塩化、臭化、およびヨウ化)、塩化ヘキサメトニウム、メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノールおよび3−ペンタノールを含む。] [0114] 等張化剤は、本発明の液状組成物の生理学的等張性を確保するために存在し、多価糖アルコール、好ましくはグリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトールおよびマンニトールなどの三価またはそれ以上の糖アルコールを含む。多価アルコールは、他の成分の相対量を考慮に入れ、重量で約0.1%から約25%、好ましくは約1%から約5%の範囲の量で存在することができる。] [0115] 安定化剤は、機能上、充填剤から治療薬を可溶化するか、または変性または容器壁面への接着の防止に有用な添加剤までの範囲に及ぶことができる、幅広い分類の添加剤を指す。典型的な安定化剤は多価糖アルコール;アルギニン、リジン、グリジン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L−ロイシン、2−フェニルアラニン、グルタミン酸、トレオニンなどのアミノ酸;イノシトールなどのシクリトールを含む乳糖、トレハロース、スタキオース、アラビトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイニシトール、ガラクチトール、グリセロールなどの有機糖または糖アルコール;ポリエチレングリコール;アミノ酸ポリマー;尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、α−モノチオグリセロールおよびチオ硫酸ナトリウムなどのイオウ含有還元剤;低分子量ポリペプチド(すなわち<10残基);ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、糖類、キシロース、マンノース、果糖またはブドウ糖などの単糖類;乳糖、麦芽糖およびショ糖などの二糖類;ラフィノースなどの三糖類;デキストランなどの多糖類などとすることができる。安定化剤は免疫原に対して0.1から10,000w/wで存在することができる。] [0116] さらなる多様な添加剤は充填剤(例:デンプン)、キレート剤(例:EDTA)、抗酸化剤(例:アスコルビン酸、メチオニンまたはビタミンE)および共溶媒を含む。] [0117] 本明細書で用いるところの「界面活性剤」は、両親媒性構造を有する有機物、すなわち正反対の溶解性傾向の基、典型的には油溶性炭化水素鎖および水溶性イオン性基より構成される。界面活性剤は、界面活性部分の電荷によって、陰イオン性、陽イオン性および非イオン性界面活性剤に分類することができる。界面活性剤は、多様な医薬組成物および生物学的物質の製剤のために、しばしば湿潤剤、乳化剤、可溶化剤および分散剤として用いられる。] [0118] 非イオン性界面活性剤または洗剤(「湿潤剤」としても知られる)は、治療薬の可溶化を促進するため、さらには攪拌によって誘発される凝集より治療タンパク質を保護するために添加してもよく、これによりタンパク質の変性を引き起こすことなく製剤を剪断表面ストレスにさらすことも可能とする。適切な非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート(20、80など)、ポリオキサマー(184、188など)、Pluronic(登録商標)ポリオールおよびポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN−20(登録商標)、TWEEN−80(登録商標)など)を含む。非イオン性界面活性剤は、約0.05mg/mLから約1.0mg/mL、好ましくは0.07mg/mLから約0.2mg/mLの範囲で存在することができる。] [0119] 本明細書で用いるところの「無機塩」は、酸の水素の一部または全て又は1つの酸を金属または金属のようにふるまう基で置き換えることによって生じる、炭素を含まないあらゆる化合物を指し、医薬組成物および生物学的物質の製剤における浸透圧調節化合物としてしばしば用いられる。最も一般的な無機塩は、NaCl、KCl、NaH2PO4などである。] [0120] 本発明は、約5.0から約7.0、または約5.5から約6.5、または約5.8から約6.2、または約6.0、または約6.0から約7.5、または約6.5から約7.0のpH範囲を有する免疫原の液状製剤を提供することができる。] [0121] 本発明は、約−20℃から約5℃までなどの、医師の診察室または研究室に認められる市販の冷蔵庫および冷凍庫に認められる温度における安定性を有する液状製剤であって、前記の安定性が、約60日間、約120日間、約180日間、約1年間、約2年間またはそれ以上などの貯蔵を目的として、たとえば顕微鏡検査などによって評価することができる液状製剤などの製剤を包含する。本発明の液状製剤は、たとえば、使用の1時間、2時間または約3時間など少なくとも数時間前の、室温における粒子分析などによって評価されるところの安定性も示す。] [0122] 希釈剤の例は、リン酸緩衝化生理食塩水、ショ糖を含有するクエン酸緩衝剤(pH7.4)などの胆嚢内で胃酸に対して緩衝化するための緩衝剤、重炭酸塩単独(pH7.4)、またはアスコルビン酸、乳酸またはアスパルテームを含有する重炭酸緩衝剤(pH7.4)を含む。担体の例は、たとえばスキムミルクなどに認められるようなタンパク質、たとえばショ糖などの糖、またはポリビニルピロリドンを含む。典型的には、これらの担体は約0.1〜90%(w/v)の濃度であるが、好ましくは1〜10%(w/v)の範囲で使用されると思われる。] [0123] In vivo投与に用いる製剤は、無菌でなければならない。これは、たとえば無菌濾過膜によるろ過などによって達成される。たとえば、本発明の細胞内成分製剤は濾過滅菌してもよい。] [0124] 免疫原組成物は、好ましい医療実践に一致した方法で製剤化、投薬および投与される。考慮に入れるべき因子は、疾患の重症度、治療する具体的な哺乳類、各患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与計画、および医療従事者にとって既知である他の因子を含む。投与するその免疫原の「治療上有効な量」はこのような考察によって支配され、且つ標的疾患、状態または障害の予防、軽減または治療に必要な最低量とすることができる。] [0125] 抗原の量は、標的宿主において所望の液性および/または細胞媒介免疫応答を誘発するのに十分な量である。投与する本発明の免疫原の量は対象の種、年齢、体重などといった宿主の身体特性、好ましい送達方法などに応じて変化するであろう。全般的に、利用される用量は約10から約1500μg/用量である。比較すると、現行のサブユニット製剤は3種類のウイルスサブタイプの要素を含有する。一般に、三価ワクチンは3種類の寄与株のそれぞれに由来するHAを約7から約25μg含有する。これは、対象となるワクチン組成物の力価を決定するための出発点として機能する。] [0126] 本明細書で用いるところの「有効な量」は、標的疾患の重症度および/または期間を低減し、その1つまたはそれ以上の症状を緩和し、標的疾患の進行を予防するか、または標的疾患の退行を引き起こすのに十分であるか、または結果として標的疾患または1つまたはそれ以上の症状の発症、再発、発現、または進行の予防となるのに十分である、治療(例:予防または治療薬など)の量を指す。たとえば対象となる治療は、初期または正常レベルに基づき、5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも100%宿主の生存能力を高めるか、または疾患の重症度を低減することができる。他の実施形態においては、有効量の治療または予防薬は、インフルエンザの症状などの標的疾患の症状、または罹患期間を、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも100%低減する。やはり本明細書で同頭語として用いられるのは「治療的に有効な量」である。] [0127] 必要であれば、組成物は可溶化剤およびリドカインまたは他の「カイン系」麻酔薬などの注射部位の疼痛を緩和する局所麻酔剤を含んでもよい。] [0128] 一般的に、成分は、たとえば有効成分の量を表示したアンプルまたはサッシェなどの密封容器に入れた乾燥凍結乾燥粉末または無水濃縮物として、別個にまたは共に混合されてユニット剤型で提供される。組成物を注入によって投与しなければならない場合、無菌医薬品等級水または生理食塩水を収容する点滴瓶により調剤することができる。組成物を注射によって投与する場合、投与前に成分を混合することができるよう、無菌注射用蒸留水または食塩水のアンプルを、たとえばキットで提供することができる。アンプルは、代替的に、たとえば使用前に希釈する濃縮液またはそのまま投与できる形態として、対象となる有効成分を含有する流動物を含むことができる。] [0129] 上記の障害の治療にとって有用な物質を含有する製品が提供される。製品は容器およびラベルを含むことができる。適切な容器は、たとえば瓶、バイアル、シリンジおよび試験管を含む。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの多様な材料より形成してもよい。容器は、対象となる組成物を保持し、且つ無菌アクセスポートを有してもよい(たとえば、容器は皮下注射用針を刺入することができる栓を有する、静注液バッグまたはバイアルであってもよい)。容器上の、またはこれに付属のラベルは、組成物がインフルエンザの治療を目的として使用されることを表示する。製品は、リン酸緩衝化生理食塩水、リンゲル液またはデキストロース液などの医薬品として許容できる緩衝剤を含む第2の容器をさらに含んでもよい。緩衝剤、希釈剤、フィルター、注射針、シリンジおよび使用のための取扱説明が記載された添付文書を含む、商用およびユーザーの立場から望ましい他の資材をさらに含んでもよい。] [0130] 本発明は、たとえばワクチンとして使用するための対象となる免疫原性組成物、その相同体、誘導体などおよびこれの使用のための取扱説明書などを含むキットも含む。取扱説明書は、組成物、誘導体などを調製するための指示を含む。組成物は、液状形態とすることも、または一般的に乾燥または凍結乾燥された固形形態として提供することもできる。キットは、緩衝剤、溶解液および目的の使用のために必要な他の成分などの、適切な他の試薬を含むことができる。事前に規定された量の試薬と、治療的な使用などのその使用のための取扱説明書を包装した組み合わせが検討される。さらに、安定化剤、緩衝剤などの他の添加物を含んでもよい。多様な試薬の相対的な量を変化させて、ユーザーの融通性、スペースの節約、試薬の節約などを提供する試薬溶液の濃縮物に提供してもよい。キットは、必要であれば、対象となる組成物を、送達のために事前に任意に充填することのできる、シリンジなどの針を含む器具などの送達手段を含むことができる。] [0131] 本明細書の上記におけるすべての参照文献の引用は、そのような参照文献のいずれかが本明細書の先行技術であるという承認として解釈すべきではない。本明細書に引用された全ての参照文献は、その全文が参照文献として本明細書に援用される。] [0132] 現在、本発明は以下の非限定的実施例によって例示される。] [0133] Wyoming株(H3N2)に由来する8種類の免疫減衰および再焦点化ヘマグルチニン遺伝子を、上述のようにデザインおよび操作した。たとえば、ヌクレオチドを部位特異的変異誘発によって置換し、IDNPEを含む免疫原性が強く且つ変動性が高い5つの部位に、複雑な炭水化物修飾および/または削除および/またはアミノ酸の荷電の変化をもたらすN−結合セクオンを導入した。] [0134] N−結合セクオンの導入を用いて、減衰に必要とされる野生型アミノ酸の変化数を減少させる一方で、糖タンパク質および受容体結合ドメインのコンフォメーションの複雑さに対するあらゆる影響を最小化させながら、各変化による免疫減衰のサイズを、特により大きな抗原部位において最大化した。3個という少数のアミノ酸の変化を必要とした場合もあった。抗原部位B(187〜196)は、B細胞およびCD4ヘルパーT細胞INDPEを標的とする。] [0135] 試験を促進するために、DNAおよびタンパク質サブユニットワクチンの両者を操作した。DNA免疫のために、ヘマグルチニン遺伝子の全長を、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータの背後にあるpTriExベクター(インビトロジェン)にクローン化した。哺乳類細胞をpTriEX−HAコンストラクトで一時的にトランスフェクトすると、天然ウイルスタンパク質に類似したヘマグルチニン遺伝子の全長が三量体として発現し、細胞膜抽出物から可溶化することが可能であることが証明された。] [0136] 異系交配マウス9群を、変異型8種および未修飾1種の野生型HA糖タンパク質の全長を含有するDNAコンストラクトで免疫した。10番目の群は、ネガティブコントロール用のエンプティーpTriExベクターで免疫した。] [0137] DNA発現ベクターに加えて、免疫用に組換えタンパク質を生成した。HA外部ドメインは、三量体糖タンパク質スパイクの構築および宿主細胞受容体の結合のためのドメインを含む。さらに、膜貫通および細胞質ドメインを取り除くことにより、組換えHA三量体が培地の上清に放出される。したがって、変異したHA遺伝子はそれぞれ外部ドメインの末端で切断され、ファージT7プロモータを有するベクターにクローニングされた。外部ドメインベクターを、ファージT7RNAポリメラーゼを発現する組換えワクシニアウイルス感染細胞にトランスフェクトすると、HA三量体が生成され、培地内に分泌された。該外部ドメイン三量体を精製してタンパク免疫原として用いた。] [0138] マウスを予備繁殖した。一方の群のマウスをネガティブコントロールとして用い、もう一方は未修飾(野生型)抗原で免疫した。] [0139] もう一方の実験においては、主要群のマウスを、変異HA糖タンパク質のDNA10μg(0.1mL滅菌水に溶解)をそれぞれ四頭筋に注射することにより免疫した。5週間休薬した後、2回目のDNA接種によりマウスを追加免疫した。さらに4〜5週間後、それぞれ10μgの精製外部ドメイン糖タンパク質により、マウスに再度2回追加皮下免疫接種した。1回目のタンパク質免疫はフロイントの完全アジュバント中で、2回目の免疫はフロイントの不完全アジュバント中で製剤化した。最終免疫接種より2週間後、マウスを安楽死させ、放血して血清を採取した。] [0140] 血清は、1)ウエスタンブロッティングおよびELISA法による変異型および野生型HAタンパク質に対する反応性、2)ペプチドELISAによる線形エピトープの認識、3)プロテアーゼによる分解からのコンフォメーションエピトープの保護、および4)赤血球凝集阻害、および相同体および異種インフルエンザ株のウイルス中和による機能試験について試験した。] [0141] 免疫再焦点化HAサブユニット操作抗原パネルで免疫したマウスより採取した血清は、HA特異的ELISA測定による力価の高い抗血清を生成した。全てのマウス群は野生型HAに対して1:100〜300,000の力価を示した。抗血清が標準的なHI分析において交差サブタイプHI抗体を示す能力に基づき、多様な変異HA糖タンパク質をダウンセレクションした。] [0142] H3N2 A/Wyoming/03/2003の変異体A2、B1、B2、B3、CE、CEB4、CEB5およびD1は、測定に用いた異種ウイルスサブタイプのパネルに対し、同等またはより高い交差サブタイプHIおよび/またはウイルス中和力価を示した。したがって、免疫減衰および再焦点化により、標準化され且つ許容される代替HIおよびウイルス中和分析によってin vitro測定される、大きく改善された交差サブタイプ抗ウイルス防御を誘発することのできる、HA糖タンパク質サブユニットワクチン候補が生成した。] [0143] 変異体A2は、KRRSNKS(SEQID No.1)がGGに置き換えられたHAのAエピトープの変異である。B1は、アミノ酸197にグリコシル化部位が導入されたHAのBエピトープにおける変異である(QISからNAS)。B2は、アミノ酸189にグリコシル化部位が導入されたHAのBエピトープにおける変異体である(SDQからNVT)。B3は、アミノ酸193にグリコシル化部位が導入されたHAのBエピトープにおける変異体である(SLYからNIT)。CEは2つの変異を含み、276位のCエピトープにグリコシル化部位が導入され(KCN→KCT)、また83位でEエピトープにグリコシル化部位が付加される(NKK→NKT)。CEB4はBエピトープにさらなる変異を有するCEであり、158位にグリコシル化部位が付加される(KYK→NST)。CEB5はBエピトープにさらなる変異を有するCEであり、159位にグリコシル化部位が追加される。D1は、アミノ酸201にグリコシル化部位が導入されたHAのDエピトープにおける変異である(RITからNIT)。] [0144] 他の実験においては、再焦点化ポリペプチド抗原を、異なるH3N2ウイルス株と比較した場合の、ヘマグルチニン阻害力価および血清中和力価について試験した。変異株はA/Wyoming/2003株由来であった。M3は上述のB2エピトープを有し;M5はCEエピトープを有し;またM6はB4CEエピトープを有した。マウスは多様なムテイン、野生型ポジティブコントロールとしてA/Wyoming/2003株ウイルス、およびネガティブコントロールとして担体単独に曝露された。次に、マウス血清を、同族Wyoming株、Panama/1999株およびWellington/2004株の3種類の株に対するヘマグルチニン阻害力価について試験した。他のマウス血清を、同族Wyoming株、Korea/2003/株、Brisbane/9/2006株およびBrisbane/9/2007株に対する血清中和力価について試験した。担体のみに曝露したマウスより採取した対照血清は、Wyoming、PanamaおよびWellington株と反応する特異的ヘマグルチニン阻害抗体を産生しなかった(力価=10)。野生型Wyomingウイルスに曝露したマウスは、WyomingおよびWellington株に対して反応性であり(力価=1280)、且つPanama株に対してわずかに反応性である(力価=226)抗血清を産生した。M5変異株は、野生型と比較して、WyomingおよびWellington株とは2倍の強さで反応し(力価=2560)、またPanama株に対する反応がわずかに低い(力価=1920)抗血清を産生した。M6変異株は、M5変異株がPanamaおよびWyoming株と反応したのとほぼ同じレベルで反応する抗血清を産生した(力価はそれぞれ2560および1280)。しかし、M6変異株は、Wellington株に曝露した時、他のすべて力価の4倍の力価を有する高度に阻害する抗血清を産生した(力価=10240)。したがって、免疫再焦点化によって、同族株以外に他の2つの株に対してまで応答が拡大し、同時に三重修飾ムテインを用いた時にWellington株に対して非常に高い反応性を示した。中和試験においては、担体に曝露されたマウスは特異抗体を産生しなかった。Wyoming株に曝露したマウスは、Wyoming株(力価=640)と強く反応し;KoreaおよびBrisbane 2006株に対する力価はWyoming株の1/4であり(力価=160);Brisbane 2007株とはほとんど反応性がない(力価=20)抗血清を産生した。M3ムテインは、マウスにおいてWyoming、Brisbane 2006およびBrisbane 2007に対して野生型抗原の4倍の反応性のマウス抗血清を産生した(力価=2560)。この抗血清はKorea株と反応しなかった(力価=3)。M5に曝露したマウスは、Wyoming株と反応性であり(力価=80)、Brisbane 2006とは2倍の反応性であり(力価=160)、またKorea株との反応性は30倍である(力価=2560)抗血清を産生した。この抗血清はBrisbane 2007株とはほとんど無反応性であった(力価=20)。したがって、対象となる免疫再焦点化抗原により、さらに3種類の株との拡大応答が得られた。] [0145] (i)一般安全性試験、さらには急性および慢性毒性試験を含む21CFR610のガイドラインに従い、組換え免疫原の安全性、毒性および力価を評価する。] [0146] 免疫原性データは、ヒトインフルエンザワクチンと良好に応答する、許容される動物モデル(モルモット、マウス、フェレットまたはコットンラット)より導出する。試験は、最終製品のために意図された株を含むワクチンを用いた、用量および投与間隔に応じた免疫応答の上昇の評価を含む。関連する動物モデルの免疫原性試験を用いて、特に新規インフルエンザウイルスワクチンの製造工程のバリデーション期における、生産の統一性を実証する。動物試験のために選択される適切な非臨床エンドポイントは死亡、体重減少、ウイルス排泄率、発熱、眼−鼻腔分泌物などといった臨床徴候を含む。] [0147] フェレットまたは他の適切な動物の群に、対象となる免疫原を300μg含有する免疫原100μLを腹腔内接種する。適切なネガティブおよびポジティブコントロールを用いる。] [0148] 感染後、動物の全般的健康状態および体重を14週間監視する。免疫原を投与された動物は、プラセボを投与された動物と同様、観察期間中は健康な状態が続き、体重が減少することも、疾患の明白な徴候を示すこともない。] [0149] より厳格な安全試験として、動物群に300μgの免疫原を注射する。] [0150] 接種の1日後、各群より3匹の動物を安楽死させ、免疫原について脾臓、肺および肝臓のホモジネートを分析する。感染後4、8、12および16週目に各群より3匹を安楽死させ、脾臓、肝臓および肺ホモジネートを入手し、分析して免疫原の有無について評価する。] [0151] 健康状態に対する有害作用が認められず、且つ内部対象としてプラセボを接種された動物と比較した時に正常な率で体重が増加した場合、当該免疫原は安全であると見なす。] [0152] 免疫原の急性および慢性毒性を評価するために、フェレット群に対し、段階的用量の免疫原300μgまたは生理食塩水を皮内接種する。] [0153] 接種の3日後、各群8匹の動物を安楽死させ、動物に対する免疫原の急性作用を評価する。接種の28日後、各群の残り8匹の動物を安楽死させ、動物に対する何らかの慢性作用を評価する。両時点で各動物の体重を測定する。さらに、肉眼病理所見および注射部位の外観を検討する。各時点で、血液生化学試験用に血液を採取し、また内臓および注射部位の病理組織学的検査を実施する。] [0154] その他の動物に対しては、ワクチンを0、14および60日目の計3回接種し、動物より10日おきに採取した血清を用いて、ELISAによりヘマグルチニンに対する免疫応答を測定する。インフルエンザウイルスの中和は、たとえば1回目の接種より80日後などに採取した血清で測定する。] 実施例 [0155] 本明細書に記載された現在の好ましい実施形態に対する多様な変更および改変は、当業者にとって明らかであろうことを理解すべきである。このような変更および改変は、本主題の趣旨および範囲から離れることなく、且つその意図する利点を減少させることなく行うことができる。したがって、そのような変更および改変は下記の請求項に包含されることを意図している。]
权利要求:
請求項1 野生型ウイルスのように免疫優性ではないインフルエンザの免疫原性エピトープを含む単離組成物。 請求項2 ヘマグルチニンを含む請求項1に記載の組成物。 請求項3 ノイラミニダーゼを含む請求項1に記載の組成物。 請求項4 インフルエンザウイルス粒子を含む請求項1に記載の組成物。 請求項5 前記粒子が不活化されている、請求項4に記載の組成物。 請求項6 前記組成物がグリコシル化部位の付加または欠失を含む請求項1に記載の組成物。 請求項7 前記組成物がアミノ酸の付加、置換または削除を含む、請求項1に記載の組成物。 請求項8 ウイルス様粒子を含む請求項1に記載の組成物。 請求項9 インフルエンザウイルスの表面上に発現した請求項1の組成物。 請求項10 医薬品として許容できる担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
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